Facebookにおける性

はじめに

昨今のソーシャルにおいて,性別は「男」と「女」のみならずそれ以外のものも認める傾向にある.
勿論全部がそうではないが,世論全体としてもある程度そのようなものが認知されつつあるのが現状である.
そこで今回はSNSの一つとしてFacebookを取り上げ,そこにおける性について議論したい.

sexとgender

日本語の場合は性別と訳されるが,英語では日本語における「性別」の欄に当たるものはsexよりもgenderが選ばれるのが専らの傾向である.
辞書を引くと

  • sex
    • the state of being male or female
  • gender
    • the fact of being male or female, especially when considered with reference to social and cultural differences, not differences in biology

であり*1,つまりはsexは生物学的な「男」と「女」の区別であり,genderは「加えて社会的・文化的な性」などの意味合いも含むものである.

Facebookにおける自身のgenderの選択

最近は性別の解答欄として「男」「女」のみならず「その他」や「解答しない」などを含めるものが多くなってきた.
抑性別の解答が不要なものも多く,これは妥当な選択であろう.

ところでFacebookで自身のgenderの選択肢はどうなっているか見てみよう.

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驚きであるが,Facebookにおいてはgenderの選択がMaleもしくはFemaleの二択しかない.
Facebookは2015年6月にアイコンを虹色に加工する機能をリリースした(最後に説明を譲る).*2
そのようなFacebookにおいてgenderの選択肢が未だに二択なことには大変驚いた次第である.

Facebookにおける性的指向

性的指向は要するに「異性愛者」とか「同性愛者」,「両性愛者」などの区別である.
Facebookはこれに関しても

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このようにwomenとmenの選択肢しか存在しない(恐らくgenderとしてFemaleを選択すればmenとwomenの順は逆になる).
これは,異性愛者,同性愛者,両性愛者は選択可能であるが,無性愛者(他者に対し性的欲求を持たない)や全性愛者(性別に依らない)はどうしようもない.

Facebookにおける恋愛関係

英語ではrelatinshipと書かれる.
relationshipには

a loving and/or sexual friendship between two people

という意味がある*3.要するに恋愛関係や性的関係を示すものである.

Facebookにおいてはどうなっているのであろうか,英語と日本語のものを併記したい.

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種類に関しては大体問題がないと思う.civil unionやopen relationshipなどの関係も広く扱っている.
しかし問題なのは日本語である.
翻訳におおよその問題はないが「open relationship→オープンな関係」,「complicated→複雑な関係」は非常に問題である.特に前者は許されるものではない.
本来open relationshipとはポリアモリー(例えば恋人を1人に限定しない.なおかつそれが秘匿でない)に近い性質を示す.しかしこれをオープンな関係と訳すのは,誤解を招く危険性を大いに孕んでいる.
確かにポリアモリー的には,恋人が二人いたとして,それぞれの恋人にそれを秘密にしないという意味では開いている.だからといってオープンな関係はいくらなんでも意味が不明すぎるし,間違った想像をする人間も多くないと思われる.
無理矢理和訳することの弊害がはっきりと出てしまっていた.何故civil unionやdomestic partnershipはカタカナに直しただけなのに,無駄に意味を付加しようとしたのか.甚だ以って意味も意図も不明である(例えばインターネットとかクレジットカードを無理矢理日本語の言葉で表そうとすれば煩雑になるのが目に見えて分かるだろう).
英語→カタカナは言語こそ異なるが,日本国で一般に用いるにあたって最も原義を損なわない表記である.それを全てに適用させないのは論外である.

おわりに

Facebookにおける性は未だ仕様として理解し難いのが現状である.
また日本語の場合は論外である.

本筋から外れるが,やはり製作者の母語の言語でinterfaceを表示するのが一番賢明なのである.

おまけ:ISO 5218

実は性別はISO 5218として国際規格が規定されている.
ISO 5218は言語に依らない人間の性別の表現でありそれは

  • 0
    • not known
  • 1
    • male
  • 2
    • female
  • 9
    • not applicable

である.

おまけ:虹色アイコン

記事をひとつ引用する.

米連邦最高裁が6月26日、同性婚憲法上の権利だと認める判決を出し、全米で同性婚が容認されることになったことを歓迎し、米Facebookと米TwitterがそれぞれLGBTの尊厳を象徴する虹色の旗をイメージした新機能をリリースした。

www.itmedia.co.jp

元記事が削除される可能性を考慮して一部引用した.
このような機能をFacebookは公開し,また更には意向を示したものと思うのだが,genderの選択に関しては上記の通りであった.

2016/06/12:日本語の修正