てきとーになんか書きます

過去の記事はね,汚点.

C1-級である正則行列のdetの微分

はじめに

ブログのネタがないので.計算するだけなのだけれど.

主張

$A:[0,T]\to\mathbb{R}^{d\times d}$:$C^{1}$-級,正則行列とする.
この時次が成り立つ: \begin{align} \frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d}t}\det A(t)=\mathrm{tr}\left(A^{-1}(t)\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d}t}A(t)\right) \det A(t). \end{align}

続きを読む

右連続な確率過程のsupを非可算集合の範囲で取っても可測

はじめに

タイトルどう書けばいいんかわかんない.

可測関数列$f_n$に対して$\displaystyle\limsup_{n\to\infty}f_n$や$\displaystyle \sup_{n\in\mathbb{N}}f_n$が可測になることはLebesgue積分の講義で学ぶことである.
ここで$\limsup$などは可算集合$\mathbb{N}$上で動かしている.
これの動かす範囲が非可算集合$[0,t]$上でも右連続ならば同様のことが言えることを示す.

出典というかは谷口説男「確率微分方程式」のDoobの不等式の証明の時に問題になったので,それ.一応脚注で測度論的言葉でも書いておいた.

続きを読む

日本における大学進学率と学位取得率についてざっくりと

はじめに

先日Twitter

といった画像が流れてきた.画像を要約すれば「学位取得率は日本だけ男性が多い」といったもの.これの確認.
ついでに「学位取得率が50%とかそんな少ないわけ無いでしょ」みたいなツイートも見られたのでそれの確認.

但し厳密に測ろうとすると過年度高卒者や留年生など考える必要のあるものが多すぎるのでざっくりと考える.

またこの記事には計算過程で2,3%の誤差があるというレベルの誤りが含まれています.また煩雑さから若干投げているところがあります.

続きを読む

positiveな線型汎函数が可算加法性を持つことの必要十分条件

はじめに

B4ゼミを3人で行っているのだが,内1人が教育実習に行っていた間は2人でGamma Function/Emil ArtinとAn Introduction to Probability Theory and Its Applications/William Fellerの輪講をしていた.
後者の本で注釈に書かれていた証明のgapが激しかったのでブログに残したいと思った次第である.

この命題はAn Introduction to Probability Theory and Its ApplicationsのCHAPTER IV Probability Measures and Spaces 5. THE EXTENSION THEOREMの式(5.4)及び式(5.5)の同値性を言うものである.
注釈15にある証明の概略は文字の置き方だけを記している.

続きを読む

ソクラテスの弁明に見る「難しい言葉」

はじめに

プラトンの「ソクラテスの弁明」やアリストテレスの「形而上学」等といった書籍にはどうにも難しい単語や言い回しが多い.
その効果についてソクラテスの弁明を題材として見ていきたい.

ソクラテスの弁明

ソクラテスの弁明とはプラトン(BC427-BC347)による篇である.
プラトンの師であるソクラテスが裁判に掛けられており,死罪を回避するために(正直そう回避しようとは思ってないが)弁論をする……という内容である.
基本的にはソクラテスの独白であり,極一部にのみ対話が行われる.

難しい言葉

ここでは難しい言葉を「知らない人間が多い単語」としておきたい.もしくは難しさの尺度として「分かる人間の程度」としておく.
例えば「青」は多くの人間が分かる言葉であるが「群青」となると若干難しくなるし「千草色」や「藤納戸」は分かる人が限られる.

また漢字を旧字体などにすれば難しくなる.
例えば「涜神」より「瀆神」の方が難しい.

ソクラテスの弁明からの引用

ここである程度ソクラテスの弁明から出てくる単語を引用,解説しておく.
先の通りソクラテスの弁明はほぼ全編がソクラテスの台詞となっている(地の文がソクラテスの台詞).

細かな単語が全体的に少し難しくなっているのが所感である.
例えば「諌める」を「諫止」に,「明らかに」を「闡明」などである*1
またソクラテスの弁明には「禍」が良く出てくる.
だがこれは難しい単語を使うというよりは「福」と対になるように定めたと言うべきである.
他漢字で言えば「放棄」を「抛棄」としている.

この手の書籍では「然るに」を多用するように思う.最近の小説ではあまり見ないような気がするが.
僕自身最近の小説はあまり読まないが,数十年ぐらい前ならば使っていたのではないだろうか?
例えば高木貞治の解析概論*2は「然らば」を多用している.
「然らば」は堅い(雰囲気を持つ)語である.この手の語では「だったら」,「じゃあ」,「ならば」,「然らば」と堅くなる.
「然るに」も「然らば」同様に堅い.

意味付け

こういった難しい単語を使う意義は何であろうか.例えば性格付けができる.
地の文で使えば少し堅めの雰囲気になるだろうし,セリフに用いればその人の性格を表すことになる.
その人の性格は例えば偏屈かも知れないし,賢者かも知れないし,そこは色々である.
難しい言葉は使うが論理が理路整然としていないならば,その人物は唯唯難しい単語を使おうとしている,とも性格付けられるからである.
ソクラテスの弁明においては,ソクラテスの知性などを表現するのに一役買っている.

おわりに

まあぶっちゃけそのせいでこういう本ってめちゃくちゃ読みづらいんだけどね.面白いんだけどさあ.

*1:前者の単語でも問題はないだろうし,「普通の小説」ならそうするだろうという意味である

*2:小説ではないが

MtGの拡張アートを始めた話.

はじめに

久しく離れていたお絵かき.やはり楽しい.

お絵かき

自分は中学2年の時のクラスメイトに影響されて絵を描き始めた.当時は授業中もいつも絵を描いてばっかでいた.
普通の中学校だったので,授業は聞いてなかったが成績は常に10位程度だったのでまあ十分だったと思う.
高専に入ってから久しく絵を描いていなかったが,MtGの拡張アート(カードに描き込みを入れる)を見て,昔使用していたアクリル絵の具を取り出し,始めた次第である.
折角なのでここに自分の描き方(描き順?)を記しておく.たぶん普通の描き方.

拡張アート

MtGでは拡張アートを施したカードが大会でも使用できるという割りと珍しい部類に入ると思う.
マジック:ザ・ギャザリング イベント規定|マジック:ザ・ギャザリングから引用すれば.

カードに芸術的な修正が加えられているものは、それが戦略的にほとんど意味がない場合に限り使ってもよい。そのイベントでどのようなカードが許容されるか、またどの程度の記録が許容されるかについての最終的な決定権者はヘッドジャッジである。 ――2.11より

また,

芸術的な修正は認定イベントでも許容されうるが、その修正がカードのイラストを識別できなくしていたり、戦略上意味のある情報を含んでいたり、問題のあるイラストを含んでいたりしてはならない。芸術的修正によってマナ・コストやカード名が隠れたり変わったりしていてはならない。
あるカードがそのイベントで使用できるかどうかを決定するのは、ヘッドジャッジである。
――3.3より

とある.これは2016年1月22日発行のものである.

描き方

  1. カードを選ぶ
    これが案外どれにするか迷うもの.絵柄を見つめて,インスピレーションを得たらば勢いでどんどんイメージを膨らませていけば良いと思う.今回のはタルキール覇王譚の森を使用.イラストはGathererから.
    f:id:spark6251:20160301001224j:plain

  2. ジェッソで下塗りをする
    周りの枠が厄介なので,マスキングテープで必要な部分をマスキングし,ジェッソで枠を塗りつぶす.この時裏面もマスキングしておけば(枠を作る感じで良い)裏面が汚れ無くて済む.ジェッソを塗ると以下のように成る.
    f:id:spark6251:20160301000910j:plain
    画像のように下書きをする.ジェッソの上は鉛筆で良いが,マスキングテープの上はボールペンじゃないといまいち見えない.

  3. 空を塗る
    今回のカードで一番遠いものは空である.なので空から塗っていく.例えば今回のイラストの木より空の方が手前に来ることはない.
    f:id:spark6251:20160301000924j:plain
    空を塗っていく.
    f:id:spark6251:20160301000930j:plain
    塗り終わるとこんな感じ.正直空が鮮やかすぎた.もっと灰色を重ねればよかった.難しい.
    カード名の上辺りで空白があるのは明らかに木を描くから.

  4. 下の建物を塗る
    ここで建物の上(草とか木とか)を先に塗るか建物を塗るかは好みだと思う.僕は建物を先に塗ろうと思った. f:id:spark6251:20160301000934j:plain
    左下が明らかに明るすぎる.これも痛いミス.
    f:id:spark6251:20160301000938j:plain
    本当は左側の建物の部分ももっと詳細に塗りたかったが,右の建物の◇の部分でさえこれなのに,左の建物の◇は無理だなと思ってごまかした.この後はマスキングテープを剥がして木を描く.

  5. 完成
    f:id:spark6251:20160301000945j:plain
    明らかに左下が明るすぎるのと,空が鮮やか過ぎたのが問題.それ以外はスリーブを付けてプレイすれば案外目立たなかったりする.ちなみにこれは拡張アート始めて5枚目.

おわりに

色を作るのは慣れないと難しいけどやっぱりお絵かき楽しいよね.
色塗りがかなり苦手な自分でも頑張ればそれなりには描けるので頑張れば大抵の人はいけるはず.
細かなアクリルガッシュでのテクニックはそういう記事を探した方が早いと思う.